函館競輪GⅢ「五稜郭杯争奪戦」は5月16日、第12Rで決勝戦が争われ、嘉永泰斗(25=熊本)が上がりタイム10秒7のバンクレコードで優勝した。
嘉永のGⅢ優勝は21年10月の熊本記念㏌久留米以来2回目。2着には新田祐大、3着には犬伏湧也が入った。
〇28年ぶり記録更新
レースは嵯峨―新田―東口―和田―犬伏―小倉―西田―嘉永―中本で周回。残り2周半に嘉永―中本が上昇して犬伏の外で並走。赤板から嵯峨が後方を警戒しながら徐々に踏み出す。打鐘で7番手に下げた犬伏が打鐘過ぎ4コーナーから一気に巻き返す。犬伏のスピードが良く嵯峨を叩いて先頭。小倉は犬伏の踏み出しに遅れる。嘉永は最終Hからこの動きに乗って自ら踏み込む。中本は離れる。犬伏が軽快に逃げるが嘉永が直線で捉えて優勝。最終Bから嘉永に切り替える流れから捲った新田が2着。
嘉永は「車番的に後ろからになると思ったし、犬伏さんを抑えて下げさせてからと。前の動きも冷静に見えて余裕はあった。踏み出した感触が良かったので行けると思いました」と振り返った。「決勝戦が一番状態が良かった」と語る嘉永の上がりタイム10秒7は95年6月に神山雄一郎が出した10秒8を28年ぶりに上回る快記録となった。
〇熊本勢〝連覇〟
昨年の函館記念は瓜生崇智(熊本)が優勝。「瓜生さんは自分が自転車を始めるキッカケになった(3学年上の)先輩。その次の年に優勝できてうれしいです」と笑顔を見せた。
嘉永は3月の別府ウィナーズで決勝戦に進出。次の目標は「GⅠの決勝戦に乗ること」。今年の飛躍が期待される一人だ。
◇嘉永 泰斗(かなが・たいと)98年(平10)3月23日生まれ、熊本県玉名市出身の25歳。九州学院高卒。18年7月プロデビュー。通算成績330戦149勝。1㍍75、80㌔。血液型O。師匠は倉岡慎太郎(59期)。
◆次走予定 優勝の嘉永、2着の新田祐大、3着の犬伏湧也の3人は27~28日の富山全プロ記念競輪。